新生G-genへの道 - 会社合併の振り返り
この記事は サーバーワークス - Qiita Advent Calendar 2024 - Qiita の 12/24の記事です。
今年の7月にG-genとトップゲートが合併しました。まだまだ道半ばですが良い経験をさせてもらいましたので少しアウトプットしてみます。
両社の特徴
G-gen(以下、旧GG)
3年前に立ち上げたGoogle Cloud / Workspace専業会社です。私が代表ですのでビジネスモデルや社内ルールや文化や強みなどなどもサーバーワークス流にとても近い感じになっています。
トップゲート(以下、旧TG)
Google Cloud業界で何度もアワードを獲得し長らく存在感を出している会社です。創業者の急逝をきっかけに色々とあったようなのですが、その後の経営メンバーがリカバリしています。そして2年前にサーバーワークスが買収しています。
これまでにやったこと
昨年末くらいからだったと思うのですが主力メンバーに個別で説明する場を設けさせてもらいました。反感があったわけではありませんが突然知らない会社の人と一緒になるというのは心理的なハードルは高かったと思います。このハードルを下げていくためには信頼関係を作っていく必要があると感じました。
私は旧GG側であり旧TGメンバーとは信頼関係はありませんので会話を重ねました。合併後の代表は私がやることになりそうだけども、これまで苦労してビジネスをやってきた旧TGメンバーに突然外様の私が関わるわけですから、そりゃいい気持ちはしないので、敬意を持って接することを気をつけていました。
話をすればするほど旧TGメンバーも実際にとてもよくやってくれていると感じてます。なんとなくPMIってこれが大事なのかもって思えてきました。上下関係は当然ないので敬意を払い理解を示す、そこからディスカッションが始まってきた印象です。
合併時における組織方針は「できるだけ混ぜず実務に影響を与えない」としました。このため恐らく現場のメンバーはあまり大きな実務影響はなかったんじゃないかなと思います。一方でバックオフィスはある程度マージする必要があったので、合併以前で一番負荷がかかったのは両社のバックオフィスメンバーです。優先するところは対外部分とコミュニケーションとしました、このためシステムとしてはGoogle WorkspaceやSlackの統合を優先してもらっています。また、最低限のルールは共通化する必要がありましたので職務権限規程等は合併前に概ね完了させました。それ以外の部分は合併後に徐々にやることにしました。結果的にはまずまずよかったプロセスでした。
発生している課題
誰もが想像できる話ですが文化や常識の違いは大きいです。肉食動物と草食動物くらい違います。どちらが良い悪いではなくて育ってきた環境が違うのだからそりゃ違います。合併して半年経って、この違いは一朝一夕では解決しないだろうと考えてます。とある経営塾の方に意見を聞いてみたところ3年はかかると見て焦らずじっくりがよいだろうというアドバイスも頂きましたし、別の合併経験のある経営者の方からは買収ではない同グループ内での合併であっても5年くらい軋轢はあったと話していましたので無理せずじっくり、メンバーの負担に出来るだけならないように進めていくことが得策だろうと現時点では考えています。
細かいけど勉強になったこと
業績における優劣はどうしてもつきます。そしてどうしても業績がよい方が優位な雰囲気になることはビジネスの世界なので当然です。一方で業績はある程度水ものです、市況や運も影響します。よいときもあれば悪いときもある、個人的な経験としては悪いときに真価が試されるので長期で見ていきたいのですがこのあたりの心象コントロールもなかなか難しいです。
代表がどっちの味方か問題もあります。当然どっちも味方ですし、私は私の経験と感性で良い悪いを伝えるだけです。しかしながら複数件どちら贔屓みたいな話も入ってきたので振る舞いはとても難しいなと感じました。
今後について
先に書いたとおり文化の融合はじっくりとという方針でいこうと思ってます。旧GGと旧TGともにとても良い人たちですし仲が悪いわけではありません。ただ文化や常識はちょっとずつ歩み寄っていく方がよいため、コミュニケーションを取るところは取る、取らないところは取らないといった工夫は必要でしょう。
一方で文化が違えば興味や強みも違う印象を持ってます。これは会社としてのケイパビリティが広がっているし、対外的にはうまく補完し合うこともできそうで楽しみなところの一つです。課題のない会社はないと思いますが、私達もまだまだ進化していきますのでこれからの新生G-genにとてもワクワクしています。