雲ようかん

イカセンター推しです。

クラウドジャーニーは山あり谷あり

本記事はサーバーワークス Advent Calendar 2023 の25日目のエントリーです。

qiita.com

クラウドジャーニーって少し前に流行った言葉ですね。

サーバーワークスではエンタープライズのお客様が比較的多く、私も色々な方とお話する機会があり最近感じたことを書いてみたいと思います。

ゴールは同じだが順序が違う

多くの企業のゴールはベタですがDXの実現、要はITをもっと駆使して業務効率化や事業伸長に貢献したいんですよね。そのなかでクラウド活用はDX実現において必須であり、柔軟なITリソースを使い倒せた方がよいでしょう。

一方で、ジャーニーの順序は各社で違う印象で、企業によって色々な経緯があったのだろうなと推測できます。以下一例です。

  • クラウド活用のガイドラインは作ったものの形骸化していて活用ができていない
  • クラウドは使っているもののガバナンスが効かせられてない
  • 先進的なクラウド環境を作ったものの担当者が辞めてしまい途方に暮れている
  • 事業部によってクラウド活用がまちまちであり個人能力に依存している
  • 作ったガイドラインが厳しすぎて全然クラウドのメリットが活かせてない
  • IaaSレイヤーは使えるもののPaaSレイヤーのマネージドサービスが使えていない

などなど、クラウドジャーニーは順々に階段を上がるものではなく、登ったり降りたりしながら進むものだなと感じています。

順序が違えば解決策も違う

当然順序が違えば解決策も違います。CCoEを組成すればよいのか、技術教育をすればよいのか、そもそも採用が必要なのか、ガイドラインを見直すのか、ガードレールを設計し直すのか、これらの課題を丁寧に紐解いて順序立てて実行していくことが大事であり、アップデートし続けていくことが大事なんだと思います。

人材リソース不足は多くの企業で共通している

ただ、やっぱり人材リソース不足はほぼ全ての企業で聞きます。これも中身は異なっていて、大きく分けると絶対数が足らないので採用や外部委託が必要なケースと、人はいるけどもデジタル人材がいないので教育して解決したいというケースがあります。

人材リソースで解決したい内製化の罠

内製化は言葉としては流行っていますが、一言で片付けるというよりはそのレベル感も企業によって大きく変わります。多くのIT人材がSIerにいる日本の業界構造上では開発から運用まで全てを内製化できる企業はほんの一握りでしょう。なおかつ日本は平均年齢も高く人口減少が続いているというマクロの状況も長期的には考慮した方がよさそうです。

私達としては少なくとも仕組みを理解しコントロールできる状況はしっかり維持することを推奨しています。AWSの設計がなぜそうなっているのか、詳細まではわからなくても概要のイメージはついているか、この全体観が理解出来ていれば十分です。今までにあったような丸投げブラックボックス化は避けた方がよいと思います。あとはお客様の状況によりますので、理解までに留めるケースやモックアップは作れるようにしておくケース、簡単な設定変更や構築はできるケースなど、どこを内製しどこをオフロードしておくかを定義しておくとよいかと思います。そしてその定義も定期的に見直すとよさそうです。

内製化のオフロード

内製化の範囲を決めたものの、それを自社リソースだけで実行していくことは実際にはなかなか難しいところが多そうです。ここは伴走してくれるパートナーを見つけておくことがよい結果につながると思ってます。ただあくまでそのパートナーに丸投げするのではなく自分たちでもある程度把握する意識を持っておくとよいでしょう。

AWSだけでも200以上のサービスがあり年間3,000以上のアップデートがあります。クラウドの特徴はこの進化の早さのため、これを効率よく追従して環境をアップデートし続けていくことがクラウドを使い倒すために必要です。宣伝になっちゃいますがサーバーワークスの クラウドシェルパ というサービスも伴走を強く意識したサービスとなっていますし G-genの 専任プロフェッショナルサービス も同じ建付けです。餅は餅屋に任せるとよいですね。

余談ですが、私達SIerも変わらなければなりません。クラウド活用においては1ショットの大きい売上は必要ではなく、クラウドサービスのように薄く長くの継続的なサポートがお客様にとってリーズナブルです。

まとめ

様々な企業がクラウドジャーニーにチャレンジしています。よいパートナーを見つけてクラウドを使い倒せる状況を維持し続けて、DXに繋がって多くの会社が元気になっていき、 クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく が実現できるとよいですね。それでは皆さま、良いお年を。